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戌(いぬ)について考える【年賀状コラム】

戌(犬)は昔から、私たち人間の良きパートナーとして深く関わりのある動物です。多くの種類がいて、体型も毛色も多種多様なので、人によって好みも様々でしょう。年賀状に描かれる戌によって相手に与える印象も変わります。グレートピレニーズや、セントバーナードなどの大型犬、シェットランドシープドッグや、アイリッシュテリアなどの中型犬、柴犬やシーズー、チワワのような小型、どの犬種を選ぶかによって、魅せ方も変わります。子犬が親犬にじゃれつく様子にすれば、家族をテーマにした幸せな家庭を連想する人もいるでしょう。2000年頃から、家庭用プリンターで年賀状作成が出来るようになると、ペットの写真を取り込んで、年賀状を作る人も増えています。犬も家族の一員というわけです。時代を遡ってみると、明治43年(1910年)に絵葉書メーカーの松声堂が狆を描き、「謹賀ちん年」とユーモア溢れる年賀状が製作されています。竹久夢二のライバルといわれる、渡辺与平(洋画家)も明治43年(1910年)に大日本国民中学会絵葉書に帽子を被った幼い男の子が犬を抱いた様子を描いています。彼は20代で亡くなっているのですが、生前は高浜虚子(たかはまきょし)が彼の才能を見抜き、自身が立ち上げたホトトギス(俳句文芸誌)に与平の絵を掲載しています。この頃から、彼は広く世間に認識され、賞賛されたようです。その人気は、夢二よりも上であったと言う人もいます。戌を描くだけでなく、共に描くものに何を投影させるかによって、読み解く面白さも加わります。時代背景や世間に対する思い、願いも含まれているのが年賀状の魅力です。

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