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大正ロマンが表現された年賀状

1912年から1926年の14年間が、大正時代です。この時代の年賀状を明治時代のものと見比べてみると、明治に注目され流行した、洋風な雰囲気や装いから、派手派手しくない落ち着いた和風へと、好みが移り替わっていく印象を受けます。この時代の人々の傾向や、趣味嗜好を「大正ロマン」という言葉で表現しますが、そんなロマンチックで叙情的な世界が、年賀状のデザインにも表れています。明治時代には、干支もシルクハット帽子を被ったり、フリルやリボンの可愛らしいドレスを着ていたり、色使いも赤、白、青、黄色、緑、黒というように数色使って非常にカラフルだったものが、赤と白のみで描かれたウサギや、振袖を着るトラというように、シンプルかつ日本文化に重きをおいた図柄に変化しています。洋風には洋風の新しさや刺激があり、人々の心をくすぐったのでしょうけれど、やはり日本には日本の良さがある事を改めて確信し、年賀状でもその様子が表現されたのだと思います。流行は巡り巡って、また原点に返ってくると言いますが、まさにそれを証明していると感じました。また、外国文化をそっくりそのまま真似ている事に、若干の滑稽さを感じたのですが、もしかしたらこの時代の人も、同じ気持ちだったのかもしれません。着物を着て生活する人の方が大半だった時代、年賀状での挨拶は、あくまで自分らしい心に寄りそったデザインの方が、より気持ちを届けやすかったのでは、と推測します。

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