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年賀状に登場し始めた干支

最近では、ほとんどの年賀状に干支が描かれていますが、昔はどうだったのでしょうか。明治30年代の年賀状を確認してみると、ほとんどが文字で、年始の挨拶がメインという印象を受けます。干支は添えられている、という感じで重きは置かれていないように思います。色合いも地味で、単色が多いです。それが絵葉書の流行、発行に伴い、ユーモラスなデザインやイラストが出回るようになりました。当時の雑誌の付録にも絵葉書が採用された背景があり、年賀状に使用される機会にもなったようです。
春陽堂が発行した「新小説」の冬号には、翌年の干支である、トラやウサギをモチーフにした絵はがきが添えられており、年賀状での利用を促していると考えられます。1907年(明治40年)にはカラーなイラストが見受けられるようになり、型押しのものや個性的な図案なものが発売され、少しずつ現在の年賀状に近づいていっている様子がうかがえます。文面よりも干支のイラストが目を引くようになり、色彩も鮮やかに、文明開化の足音が聞こえてくるようです。
イラストが全面に、派手になってきた背景には、明治という時代の盛り上がりの他、郵便規制の変更があり、はがきの表面に差出人住所が書けるようになったからといわれています。確かに、裏面に賀詞や、差出人を記載するとなると、必然的に干支のイラストは小さくせざるを得ません。このような規則の変更に伴い、年賀状の干支にもスポットライトが当たるようになったというわけです。

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